コロナ重症患者の闘病記 その2「三途の川から帰ってきた」[35374]
先生の「もうダメだ……」から気づいたときには2日後。
看護師:「先生起きました!」
看護士の声で意識が戻った。
看護士が「今は4日の午後2時ぐらいです」と教えてくれた。
目の前の壁に時計だけがかかっていて針は時計のコマーシャルのように1時50分を指していた。
頭がボーっとして体を動かそうとするがあちこちに激痛が走る。
自分の体を見ると右腕はベッドに固定され、そこには針が何本も刺さっていて、頭上のビニールバッグに繋がっていた。
1番驚いたのは、海に潜るときに使うレギュレーターみたいな物が口につけられており、一切喋ることができないということ。
看護士が「気分はどうですか? 大丈夫ですか?」と聞いてくるが、当然喋れないのでうなづくしかない。
看護士曰く、たまに自分の現状が受け入れられなくて、起きた瞬間パニックになる患者がいるそう。
私の場合はパニックよりも「あっ死ななかったんだ……」という思いの方が強かった。