コロナ重症患者の闘病記 その6「退院後」[35386]

不織布マスクと体温計

友人の運転で家路に向かったが結構な距離だ。

1か月前ここを瀕死の状態で運ばれて来たのだなと思うと不思議な気分だった。

せっかく退院した記念日なので、友人に「ランチをご馳走するから、いい感じのレストランがあったら入ろう」と提案した。

車は15分、20分と走るがほとんど店がない。

どんだけ田舎なんだよ! と思ったがこればかりは仕方がない。

結局いい感じのレストランは見つからなかったが朝から何も食べていなかったので空腹には勝てず……諦めてファミレスに入ることにした。

ヨロヨロと車から降りてテーブルに着いた私は、真っ先にグランドメニューのページを開いた。

ミディアムレアに焼き上がった分厚いステーキ写真を見た瞬間、私は「これ、これ!」と指をさしていた。

メニューを開いて3秒でオーダーが決まった。

病院の食事は、カロリー計算され塩分も控え目、健康には良いが精神的にはストレスが溜まるものばかりだった。

そのため豪華なメニューを見た瞬間、理性が崩壊したのだ。

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